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Transcript for DIVVY/dual.symposium.03 [Endo]
| Time | Content |
|---|---|
| 00:01 → 00:03 |
遠藤といいます。 |
| 00:09 → 00:17 |
まずは、紹介いただいた《TypeTrace》というソフトウェアの説明をして、 |
| 00:18 → 00:28 |
次に今日のお題に対しての僕の立ち位置をお話して、簡単にまとめていきたいと思います。 |
| 00:29 → 00:36 |
《TypeTrace》というソフトウェアは、僕とエンジニアの松山さんという方と一緒につくったもので、 |
| 00:37 → 00:44 |
松山さんはエンジニア兼プログラマー、アーティストでもあって、多方面で活動されています。 |
| 00:45 → 00:55 |
僕はアートをやっていて、もともとクラシック音楽を勉強していましたが今は主にメディアアートの仕事をしています。 |
| 00:56 → 01:08 |
今は主にメディアアートの仕事をしています。《TypeTrace》とはどういうものかというと、文章をタイプする全ての情報を |
| 01:10 → 01:17 |
例えば漢字変換だとか、テキストの修正、加筆、編集とか、そういったもの、 |
| 01:18 → 01:27 |
あるいはどう文章を書いてどう直すかとか、時間の情報を記録して再生する。 |
| 01:29 → 01:35 |
僕が興味があり、このソフトウェアで実現しようとしたのは、思考、考えることと、 |
| 01:36 → 01:43 |
その考えを記述することの間に轍みたいなものがあるとして、それをメディア技術によって捉えて |
| 01:44 → 01:49 |
思考の痕跡のようなものを可視化してみようと想定して、やってみた訳です。 |
| 01:50 → 01:54 |
実際にソフトウェアを立ち上げてみます。 |
| 01:58 → 02:09 |
実際これは先週銀座で展示していた作品で、データも展示していたときのものです。 |
| 02:10 → 02:16 |
さっき前半に僕がお話しようと打っていたのが、これなんですけれども |
| 02:22 → 02:34 |
やっていることは非常に単純で、普段皆さんがメールを打ったりだとか文章を書いたりだとかする時の情報を、そのまま記録している。 |
| 02:36 → 02:42 |
誤変換も全て見えてしまうので恥ずかしいんですね。 |
| 02:49 → 02:54 |
フォントの大きさは文字を確定するのにかかった時間 |
| 02:55 → 03:03 |
あれにしようかこれにしようか悩んでいると大きくなっていく。そうやって時間がビジュライズされる。 |
| 03:07 → 03:14 |
実際に色々と書いてくれた人がいて、 |
| 03:22 → 03:34 |
例えばこれは日本国憲法の前文を暗唱した人が、記憶に基づいて書いたもののようです。 |
| 03:35 → 03:41 |
下にスライダーがあって、スライダーを動かすと早送りできます。 |
| 03:56 → 04:04 |
さっき椿さんのプレゼンテーションの中で、日本人と書き文字の歴史を聞いて膝を打ったのですが、 |
| 04:05 → 04:12 |
我々はいつも変換の作業をしているので、それが見えると面白いわけです。 |
| 04:13 → 04:20 |
コンピューターの画面に出てくる漢字は、直前にタイプして確定したものが出てくることが多いので |
| 04:21 → 04:30 |
もし直前にラブレターのような特殊な文章を書いていた場合は、そういう文字が出てきちゃう。 |
| 04:31 → 04:43 |
それを見られることは恥ずかしいけれど、この作品はただテキストに確定されて、メールで送られて、相手に読まれる、というものに対し |
| 04:44 → 04:54 |
本来そこにあった考えの軌跡みたいなものが捉えられる作品です。 |
| 04:55 → 05:00 |
ちなみにこれは後ろの2台のコンピューターに展示してあるので、もし興味があればぜひ。 |
| 05:09 → 05:14 |
これが今僕がコンピューターで操作していた画面です。 |
| 05:22 → 05:32 |
この画面が展覧会で展示していたもので、左下のリストが会場にきた人が打っていったコメントのリストです。 |
| 05:33 → 05:44 |
普段は自動的にランダム再生されていますが、特別なコメントを読みたい場合、このリストから選択し再生できます。 |
| 05:50 → 06:00 |
右の画面がテキストの表示画面で、フローティングしている画面がプロジェクションで映していたものです。 |
| 06:07 → 06:13 |
展覧会に来た人が、僕に「来てみました」というメッセージを残したり、といろいろありました。 |
| 06:19 → 06:28 |
書かれたテクストはCCライセンスで配布することを了解いただいた上で書いていただいており、アプリケーションそのものも |
| 06:28 → 06:31 |
オープン・ソースという形で配信しようという魂胆でやっています。 |
| 06:34 → 06:36 |
何でこれを思いついたかというと、 |
| 06:40 → 06:49 |
僕はプロジェクト《Phonethica》という、世界の音声言語に関連したアート・プロジェクトをライフワークみたいにやっていて |
| 06:50 → 07:01 |
下の階でスピーカーがグルグル回っている作品がそのインスタレーションで、異言語間の偶然的な音声連鎖で世界を探索するシステムです。 |
| 07:06 → 07:09 |
いま世界には6〜7000言語あると言われています。 |
| 07:10 → 07:19 |
例えばフランス語には「サヴァ」という挨拶言葉がありますが、日本語にも「サバ」とよばれる魚がいて、どちらの音も似ています。 |
| 07:20 → 07:30 |
これを僕が思いついたのはフランスにいる時で、周りが「サバ、サバ」と言っているとき、僕はいつも魚の「サバ」が思い浮かんでいて |
| 07:31 → 07:32 |
面白いなぁと。 |
| 07:36 → 07:46 |
調べてみると「サバ」はロシア語だと「フクロウ」という意味だったり、インドのシンディー語だと「老人」という意味だったり。 |
| 07:49 → 07:54 |
「意味が違っていても音が似ている」という辞書を作ったら面白いんじゃないか、と思ってはじめたプロジェクトです。 |
| 07:56 → 08:05 |
もし、あと200人しかいないような少数言語の民族の言葉に「サバ」という言葉があってそれが「木片」という意味だったり、 |
| 08:06 → 08:17 |
またそういう言葉を見つけたとき、その言葉を使う人たちはどこに住んでいて、何を食べていて、どんな文化や政治的状況の中にいるのか、 |
| 08:18 → 08:25 |
どういう人たちなんだろう、といった興味を引き出す、ある種の百科事典みたいなものを作ろうと思ったのです。 |
| 08:27 → 08:47 |
サブタイトルで「セレンディピティ・エンハンサー」(偶然何かに出会う事を促進する、そういう仕組みを社会に投げる)と呼んでいます。 |
| 08:48 → 08:57 |
実際、危機言語というものがあり、さっきの6000言語のうち50〜90%がこの数十年でなくなると報告されている状態です。 |
| 08:58 → 09:13 |
これに対し、UNESCOやスタンフォードの図書館がやっているのが言語をアーカイブ化し保存するプロジェクトで、 |
| 09:14 → 09:30 |
僕が考えているのは、空耳みたいなその偶然性を利用して今まで結ばれていなかった点と点、情報と情報を結びつけていくというものです。 |
| 09:31 → 09:40 |
例えば自分の名前が「アン」で、もしそれがアフリカのどこかの国の言語で「太陽」とか「そよ風と」いう意味だったことを知ったら、 |
| 09:41 → 09:48 |
ぐっと親近感がわくかもしれない。そしていつか、または実際に、その国に行ってみるかもしれない。 |
| 09:49 → 09:56 |
そういうチャンスをつくるのが、アートの役割の1つなのではないかと最近思っています。 |
| 09:58 → 10:13 |
下の階にあるのでぜひみてください。インターフェイスに自分の名前や、表示されている音的に似ている単語を見つけることができます。 |
| 10:18 → 10:27 |
例えばロシア語で選択すると、スピーカーがロシアの方向に動いて行き、発音するというシステムになっています。 |
| 10:28 → 10:39 |
このモーターの性能には複雑な技術を使っていて、《TypeTrace》と同じく松山さんに実装してもらいました。 |
| 10:42 → 10:49 |
実はこの《Phonethica》を考えているときに、《TypeTrace》のアイデアがうまれたのです。 |
| 10:50 → 10:58 |
その時に考えていたのはキネティックキーボードというもので、物理的にキーボードを動かしてみたら面白いのではと考えていました。 |
| 10:59 → 11:13 |
メールでテキストがただ送られてくるのではなく、ミニピアノみたいに実際にキーボードがカタカタ動くようなもののPC版です。 |
| 11:18 → 11:24 |
とりあえずはスタンドアローンのキーボードを買ってきて、電磁石を使ってやろうとしていました。 |
| 11:30 → 11:34 |
遠隔地からのメッセージに使えば、気持ち悪いかもしれないけど何か面白いのではないか、と考えて、 |
| 11:37 → 11:48 |
そのシミュレーション、過程の段階としてコンピューターで再現してみようと生まれたのが、《TypeTrace》のソフトウェアということになります。 |
| 11:50 → 11:56 |
先週銀座のSpace Kobo&Tomoで、約1週間、展示をしました。 |
| 11:57 → 12:13 |
三台のラップトップとプロジェクター、オートパイロットとプレイモード、自分で書くモードで展示しました。 |
| 12:14 → 12:30 |
見られる恥ずかしさはあるかもしれませんが、絵を描くよりタイプの方がリテラシーが高いので予想以上に参加してもらえました。 |
| 12:31 → 12:36 |
昨日展示が終了したばかりなので、まだ全部読んでいないのですが、結構面白いデータが集まっています。 |
| 12:39 → 12:50 |
今後この作品でやってみたいと思っているのが「物語」というアイデアで、小説家や批評家の方などに使ってほしいと思っています。 |
| 12:54 → 13:10 |
例えば有名な作家の新作が、始めから全て《TypeTrace》で書かれたとしたら、またそれをICCで発表する機会があったら見てみたい。 |
| 13:11 → 13:22 |
作家の一切の思考の痕跡を、記述の残滓みたいなものをたどりながらみてみたいな、と。書き手にとっては勇気がいることですが。 |
| 13:27 → 13:38 |
ギャラリーで初演をしたり、同時にインターネットで公開してそれに対するレスポンスを含めてオープンに展開してみたいと思っています。 |
| 13:39 → 13:54 |
音声言語を扱った《Phonethica》プロジェクトから、文字言語を扱った《TypeTrace》が派生してきています。 |
| 13:55 → 14:03 |
両方の作品共に通低しているのは、「時系列」(タイムベース)です。 |
| 14:04 → 14:20 |
私が音楽をやっていることに関連していると思うのですが、時系列で文字言語を音声的に扱っているのです。 |
| 14:27 → 14:29 |
いろいろ調べていたら、言語学者の鈴木孝雄さんという方が |
| 14:30 → 14:42 |
「人間は声を出すときにリズムをつけて発声することに快感を覚えるという極めて特殊例外的な動物である」という話をしていました。 |
| 14:43 → 14:45 |
例えばみんなカラオケが好きとか、ありますよね。 |
| 14:47 → 14:53 |
こうやって僕が話すときも、あるリズムに乗りながら話しているわけです。 |
| 14:55 → 15:09 |
この「ゴリラの歌」というのは昔から好きな話で、「猿学の現在」という立花隆さんの本の中のリサーチで、ゴリラが歌を歌うのは |
| 15:13 → 15:21 |
性行動をしたいとか、腹がへったというわけではなく、どうやら歌を歌いたくて歌っているらしい、ということが分かったのです。 |
| 15:22 → 15:28 |
僕は大学の頃にこれを読んですごくショックを受けました。音楽の勉強をしている頃は、 |
| 15:29 → 15:45 |
音楽というのは人間の表現欲求だと思っていたので、音楽は人間より前にあったともいえる、とかなりショックを受けると同時に |
| 15:46 → 15:58 |
今も僕らはカラオケに行ったり、鼻歌を歌ったり、とある種の「野生」を自らの内に持っていることに激しく感動した覚えがあります。 |
| 15:59 → 16:15 |
そんな要素が人間にあるとしたら、キーを叩いて文字を紡ぎ出し続けること自体にある種の快感欲求みたいなものが確実にあるだろうなと。 |
| 16:20 → 16:24 |
僕はそれを扱いたいと思っています。 |
| 16:25 → 16:34 |
「タイプ道」というのは、ドミニクさんとの論議の中で彼が言っていた面白い言葉で、 |
| 16:35 → 16:58 |
書道に対して、「タイプ道」みたいなものができそうだねと。考えてみると僕は人が紙に何かを書いているのを見るのがすごく好きで、、。 |
| 17:06 → 17:11 |
遠藤さんすみません、時間が押しているので後半の一般論についてお願いします。 |
| 17:23 → 17:42 |
はい。アプリケーションとしては、メール、ブログ、再生速度の変更、検索、一般のエディターが持っている機能をつけたり、 |
| 17:43 → 17:46 |
Firefoxのエクステンションにしてみたいと思っています。 |
| 17:47 → 17:56 |
そのオープン・ソースでつくられたファイルを、クリエイティブ・コモンズでソースを配布してみようと。 |
| 18:02 → 18:10 |
ここからは、今回やってみたことを含めて、現時点での僕の個人的な感想を整理してみようと思います。 |
| 18:12 → 18:13 |
オープン・ソース・アートについて。 |
| 18:14 → 18:29 |
デモクラティック・アート。民主的なプロセスに基づく芸術など色々あると思いますが、アートとしては、本質的に興味を惹かれません。 |
| 18:30 → 18:46 |
パーティシペート・アートという鑑賞者参加型のアートみたいなものにも、政治的には正しい気がするけれどあまりピンとこない。 |
| 18:47 → 18:53 |
また、鑑賞者にやさしい類いの芸術をアートとしてみた時にどうか、と感じます。 |
| 18:55 → 19:18 |
一方で僕はアートを見る時は、狂気や、徹底したナンセンスみたいなもの、独善性、圧倒的な情動などに近づきたいと思っています。 |
| 19:19 → 19:23 |
ではアートのオープン・ソース化は不可能かということについてですが、 |
| 19:24 → 19:33 |
僕にとっては、こういった多くの構造の中で狂気や情動などを探すことが可能かどうかに関心が向いています。 |
| 19:34 → 19:46 |
例えばジョン・ケージの4分33秒という作品。これはもしかすると、オープン・ソース的な作品だと言えるかもしれません。 |
| 19:48 → 19:58 |
また、「芝浜」という落語の三題噺で古典中の古典。 |
| 20:05 → 20:19 |
三題噺とは、お客さんにいただいた三つのお題から、即興で噺をつくるというもので、今日だったら「オープン」とか。 |
| 20:20 → 20:33 |
「芝浜」の場合は「酔っ払い」と「財布」と「芝の浜」という三つのお題からつくるのですが、それが発達して今では古典中の古典です。 |
| 20:34 → 20:43 |
当然オチなど苦しくなるのだけれど、観客はその苦しさも共有して、いま・ここ性を楽しんで笑って帰る。 |
| 20:44 → 20:49 |
こういうものもオープン・ソース的と言えるのかもしれません。 |
| 20:50 → 20:57 |
その関連で思い出したのが、林家正楽さんという有名な紙切り芸の方です。 |
| 20:58 → 21:14 |
この方は、人とのやりとりの中でお題をもらい、笑いをとりながら切るという高度な技術を披露しているんですね。 |
| 21:22 → 21:31 |
ある種のライブ性というものが、僕が考えるオープン・ソース・アートのキーワードと言えるかもしれません。 |
| 21:34 → 21:45 |
次の例は、The YesMenという、とても面白いアクティビスト/アーティストの二人です。 |
| 21:48 → 22:05 |
彼らはWTOのホームページにそっくりなサイト「GATT.org」を立ち上げて、WTOがやっていることと正反対なことをやっています。 |
| 22:06 → 22:15 |
なので、よくページを読んでいない世界中の色々な組織からメールや質問が飛んでくるそうです。ある日本当のWTOだと思われて |
| 22:16 → 22:28 |
カンファレンスへの招待状が送られてきたそうで、彼らは実際にカンフレンスへ行き、とんでもないプレゼンテーションをやって、 |
| 22:29 → 22:30 |
それをすべてドキュメンタリーで記録しています。 |
| 22:32 → 22:37 |
例えばこの男根が立ち上がってくる衣装も、フィンランドのテキスタイル貿易の会議で、 |
| 22:38 → 22:41 |
これがWTOの最新のソリューションであるとして紹介した、という作品です。 |
| 22:48 → 22:52 |
これは、BBCインタビューをハックしたという作品です。 |
| 22:53 → 23:00 |
これらの作品を紹介したポイントは、 |
| 23:01 → 23:17 |
WTOみたいな巨大組織にある種のいたずらを仕掛けて、今度はマスメディアをハックするような形で社会に提示していく、という手法が |
| 23:18 → 23:23 |
今日のシンポジウムのお題と関連した論議ができるのではないかと思ったからです。 |
| 23:25 → 23:37 |
少年ジャンプのような週刊誌においては、アンケートはがき内容が雑誌の直接的な内容に反映しています。 |
| 23:38 → 23:41 |
つまり、作者と読者と編集者の、ある種のコラボレーションができなくもない。 |
| 23:42 → 23:47 |
しかしながら、誰もがコラボレーションということを意識していない。当事者意識が低いということです。 |
| 23:53 → 23:55 |
さきほどご紹介しました《Phonethica》でも、 |
| 23:57 → 24:09 |
ウェブを使って世界中から言葉を集めるという何かオープンネスみたいなものと全地球規模での知の集積という意味で、 |
| 24:10 → 24:14 |
コラボレーションがキーワードとして導かれてるのではないかと思います。 |
| 24:15 → 24:16 |
最後にまとめますと、 |
| 24:18 → 24:30 |
僕の関心は、オープンな構造の中で、アートだけが持ち得る、狂気や圧倒的な情動性みたいなものが存在できるのかという疑問と、 |
| 24:32 → 24:40 |
そこにはライブ性やコラボレーション、ソーシャルハッキングみたいなものがキーワードになるのではないかと思っていて、 |
| 24:41 → 24:51 |
それを僕は《TypeTrace》や《Phonethica》を通して、検証してみようとしているところです。以上です。 |
| 24:53 → 24:55 |
どうもありがとうございます。 |
| 25:01 → 25:11 |
最初に楠見さんからフルクサスから現代のリミックス・カルチャーの話と、現代美術とネットカルチャーという話がありました。 |
| 25:12 → 25:21 |
椿さんはウェブ2.0の動き、社会行動と美術の関係を照らし合わせて見る、という活動をお話いただきました。 |
| 25:22 → 25:28 |
ここまでで、あまりメディアアートについて語ってなかったので、 |
| 25:29 → 25:38 |
関連展示を発表してくださった遠藤さんと松山さんの作品をフィーチャーさせていただきました。 |
| 25:39 → 25:47 |
これをメディアアートに分類するかどうかは確定していないと思うのですが。 |
| 25:50 → 26:00 |
さき程のお話の中で、遠藤さん一人だけのビジョンとしては、キーボードが動くということだったんですが、 |
| 26:01 → 26:04 |
そのシミュレーションの過程としての作品でもあるのです。 |
| 26:07 → 26:12 |
つまり展示会場に来た人の文章を集積していき、 |
| 26:13 → 26:22 |
タイピングされた言葉の裏にある人々の身体性や思考の痕跡の部分が集まって見えてくるということ自体が |
| 26:23 → 26:26 |
1つのプラットフォームだったり、ソフトウェアだったりする。 |
| 26:27 → 26:31 |
そのコンテンツ自体も自由なものとして、CCライセンスを付けて、 |
| 26:32 → 26:42 |
ソフトウェアもGPLライセンスで近日公開します。 |
| 26:43 → 26:52 |
そういう意味で、どの部分で作品が成立しているのか、作者はどこにいるのかといったことが |
| 26:53 → 27:00 |
議論の土壌になるように色々と考えてきたわけです。 |
| 27:03 → 27:05 |
楠見さんには、実際展示場に来ていただきましたが、 |
| 27:07 → 27:26 |
文章を時系列で見るという発想自体は単純ですが、文章を書くという行為の違う慣習についてなど、感想をきかせていただけませんか。 |
| 27:29 → 27:33 |
僕が書き残したものを見ましたか? |
| 27:41 → 27:48 |
何を書いたかというと、吃音について書いたんですよ。 |
| 27:50 → 27:53 |
言語的なドモリに関して書いたのです。 |
| 27:56 → 28:08 |
通常自分がタイピングしている時は気付きませんが、改めて自分の作文脳を鏡に映しているわけじゃないですか。 |
| 28:12 → 28:19 |
見たときにタイピングがどもっているというより、思考がどもったり、足踏みしたりしている、 |
| 28:20 → 28:27 |
そんなものが映し出されていることに我ながら唖然としてしまいました。 |
| 28:30 → 28:31 |
ありがとうございます。 |
| 28:33 → 28:39 |
山形さんは実際触っていないとは思うのですが、ぜひコメントしていただきたいと思っています。 |
| 28:40 → 28:44 |
このソフトの中でどうコンテンツがブラッシュアップされていくか。また |
| 28:45 → 28:54 |
文章というのはとてもベーシックなメディアで、そこにカットアップとか、普通にワープロでやっていることを、 |
| 28:55 → 29:02 |
時系列で再生することによって読み手の意識も変わってくるし、こちらの意識も変わってくると感じているんですね。 |
| 29:03 → 29:18 |
今の遠藤さんのプレゼンテーションで感じられたことや、オープンにしていく中での課題などを提示していただきたいと思います。 |
| 29:20 → 29:26 |
この作品の特に「考えた時間によって文字が大きくなる」というところは、非常に面白いと思います。自分でも考えたことがあります。 |
| 29:30 → 29:39 |
なぜかというと、一昔前ならば、訂正線が入っているような夏目漱石の直筆原稿そのものが高く売られていたりするんですよ。 |
| 29:41 → 29:52 |
書いてあるものはただの文字なんだけれど、その文字に何とかアウラを戻してやろうという試みがあるんですね。 |
| 29:53 → 29:59 |
じゃあ、山形のPGP署名の入ったメールを売るのはどうだろう、というと、 |
| 29:59 → 30:03 |
まあ買わないだろうなぁ、いくらでもコピーできるし、という話になるわけじゃないですか。 |
| 30:06 → 30:14 |
僕のハードディスクに直タイプ・テキストファイルがあっても、コピーならいくらでもできますし。 |
| 30:18 → 30:24 |
1つの問題意識として、誰でもできるものやフラットなものではなく、もう少し凸凹したものを目指したいとか、 |
| 30:25 → 30:34 |
作家の狂気というのも、みんなが狂っていたら狂気ではなくなるし、個別性をどう出していくかということで位置づけされると思うんです。 |
| 30:36 → 30:49 |
そこで、自分がやってきた履歴を全て残したようなファイル、1点限りの作家の思考や全てが残るようなファイルはできないかと考えます。 |
| 30:50 → 31:03 |
それはある意味、文字という作品の背後にどんな思考があるのかと、表面的なテキストからソースの部分に戻っていく作業だと思うんです。 |
| 31:06 → 31:15 |
一方でオープンにしよう、フラットにしょう、誰でもアクセスできるようにしようという発想とは別の発想ですね。 |
| 31:17 → 31:22 |
で、その背後にある思想なりをもう少し明確化しようという発想についてですが、 |
| 31:23 → 31:25 |
それは多分半分ぐらい言葉になってないんですよね。 |
| 31:26 → 31:32 |
自分がどうして何度も同じ変換ミスをするのか、というのはフロイト的に考えれば、 |
| 31:33 → 31:39 |
僕がどうしても「冷蔵庫」と書けないのは昔お父さんにいじめられたせいかも知れないとか。 |
| 31:41 → 31:54 |
あるいはテクストの背後にある思想がまとまってないせいかもしれない。創造を探る方法論として非常に興味深い。 |
| 31:55 → 32:05 |
しかもそれがフラットでなく、誰でもアクセス・作れるものではなく、個別でどう出していくかという方向に向かっている点が面白い。 |
| 32:06 → 32:10 |
もう少しできるようになったら、うまくすれば「それ売れるぞ」という感じでもありますよね。 |
| 32:11 → 32:12 |
ありがとうございます。 |

