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Transcript for DIVVY/dual.symposium.04 [Discussion]
| Time | Content |
|---|---|
| 00:05 → 00:13 |
今の仕事で思ったのですが、僕の父親は80歳を過ぎてアルツハイマーになったんですね。 |
| 00:14 → 00:20 |
特殊な例かと思ったら、僕の学生の家族の中にもたくさんいることが分かったんです。 |
| 00:21 → 00:25 |
けっこう一般的になってきているのかなと思ったとき、ある種の「恐怖感」を覚えたんです。 |
| 00:26 → 00:31 |
同じ遺伝子を持っているわけだから、俺もあと何十年後かに発症するのではないかと。 |
| 00:33 → 00:39 |
そういえばこの間「たけしの本当は怖い家庭の医学」を見ていたら「2年後にクスリが出る」と言ってたんです。 |
| 00:40 → 00:42 |
それで「やった!俺は関係ない」と喜びました。 |
| 00:43 → 00:51 |
親父の脳の断層写真を見たのですが、すごい衝撃的でした。萎縮しているんですよ。 |
| 00:52 → 00:59 |
だから物質的に脳が「消滅していく」というリアリティがそこではじめておそってきたんです。 |
| 01:00 → 01:08 |
今(遠藤さんの作品)の「字」を見ていて、失礼なんですが、まだディテールが粗雑だなと思いました。 |
| 01:09 → 01:17 |
でかくなるより消滅していく方が、考えている間に字がどんどん消えていく方が怖い。慌てて何でもいいから打たなきゃみたいな。 |
| 01:18 → 01:26 |
ある種「文字を記述する」という、我々の脳自体の物質的・物理的なものが消えるという恐怖感と戦いながら文章を打つ。 |
| 01:27 → 01:30 |
僕、文字がちっちゃくなるようなシステムになったら、これ欲しい。 |
| 01:31 → 01:38 |
文字が消えていく速度が、1時間くらい経って帰ってきたらちょっと小さくなった気がする、ぐらいの。 |
| 01:40 → 01:44 |
極端ではなく、非常に精密で、微細なんだけど変わっている、というような。 |
| 01:46 → 01:52 |
つまりテキスト面のフェーズに「ゆらぎ」が微細に見えるというようなことが、恐らくできると思うんです。 |
| 01:53 → 02:02 |
それができると、きっと「自分が文章と向き合う」というリアリティがもっと生々しくでてくるだろうな、という気がしました。 |
| 02:03 → 02:07 |
でかくなるより消えていくのが僕は怖い、と思います。 |
| 02:10 → 02:23 |
先ほど漢字の話を少ししましたが、誕生した頃の漢字って、ほとんど全部「いけにえ」と「呪い」に関するものばかりなんですよ。 |
| 02:24 → 02:26 |
漢字のルーツが「いけにえ」と「呪い」。 |
| 02:27 → 02:30 |
ラディカルとは「白」である、と言ったのはボードリヤールですが、 |
| 02:31 → 02:35 |
「白」という漢字は「ハク」、つまり「しゃれこうべ」で、人間の髑髏、スケルトンのことなんですよ。 |
| 02:36 → 02:44 |
スケルトンで鼻の穴二つが上を向いている姿、あれが「白」っていう字なんですって。 |
| 02:45 → 02:55 |
僕らはそういうマヤの呪いのような、呪詛がこもったようなものを、毎日こうやって人に投げてるわけですよ。 |
| 02:56 → 03:06 |
先祖が作った「呪い」を僕らは交換しあってるという。それを本を読んで知った時、鳥肌がたったんです。 |
| 03:07 → 03:14 |
本読んでて鳥肌が出るようなリアリティ。おそらくメディアアートで鳥肌が出るかというのが問題になってくると思うんです。 |
| 03:15 → 03:25 |
よく分からないがすごい鳥肌が出るようなリアリティが襲ってくる、というフェーズにこれからどんどん進化していかないと、 |
| 03:26 → 03:32 |
メディアアート自体に危機があるんじゃないか。またそれをどうやったら掘り起こせるかということが問題ですね。 |
| 03:33 → 03:41 |
先ほど椿さんが「日常に向かっていかなければならない」とおっしゃっていましたが、 |
| 03:42 → 03:50 |
今回の遠藤さんと松山さんの作品も、固定的な意味でそれ自体がアート作品であるというよりは、 |
| 03:51 → 03:53 |
インスタレーションであるとか、プロジェクトの展開の仕方であるとか、 |
| 03:54 → 04:00 |
その全体像に作品性というものを成立させているとも言えます。 |
| 04:01 → 04:07 |
ただ「web上でこんなの作りました」と言ってフリーソフトウェアとして配布するっていう方法と、 |
| 04:09 → 04:16 |
アーティストの仕事である、というところの違いは何なんだろうと思ったりします。 |
| 04:17 → 04:24 |
そこを遠藤さんご本人の口から聞けるといいかなと思って。 |
| 04:28 → 04:38 |
プレゼンテーションでも言いましたが、このアプリケーションはオープン・ソースアートのために作ったわけではありません。 |
| 04:40 → 04:46 |
例えば、山形さんは実際どんなふうに批評文を書いてるのだろう、というように、 |
| 04:47 → 04:55 |
色々な人の思考の痕跡みたいなものをちょっと見てみたい、というところに興味があったんですよね。 |
| 04:56 → 04:58 |
だから作品かどうかも分からないんです。そういう意味で言うと。 |
| 05:01 → 05:06 |
僕が言いたいのは、先ほど出た「プラットフォーム」という部分なのですが、 |
| 05:07 → 05:15 |
ある作品を仕事の結果として「はいっ」というのではなく、活動そのものを通して自分が伝えたいことを伝えていく、という、 |
| 05:16 → 05:20 |
その「プラットフォーム」ということに近いのかな、っていう思いなんですよね。 |
| 05:22 → 05:29 |
そうですね。言葉は基本的にみんな使うし。そういう意味では《Phonethica》という作品で音声言語を扱っているのも、 |
| 05:30 → 05:34 |
音声言語は普遍的だからなんですよ。誰でも使えるというか。 |
| 05:35 → 05:42 |
文字がない言語はいっぱいあるけど、音声言語がない言葉はない、そういう意味で。 |
| 05:46 → 05:54 |
別に絵がうまいとかそういう特殊な能力ではないし。 |
| 05:55 → 06:02 |
実はみんなすごいテキストを書いているわけですよ。 |
| 06:03 → 06:11 |
普通の「うわー、何これ」っていう一文でも、そこに至る・確定するまでのプロセスは結構生々しくて、それは面白いですね。 |
| 06:12 → 06:13 |
僕はそういうことに関わっていきたいという気がしますね。 |
| 06:18 → 06:26 |
時間軸上で、立ち会ったその場、その瞬間に全てが伝わるというわけでなくて、 |
| 06:27 → 06:30 |
慣習を生もうとしているのかな、っていう思いがあるんですね。 |
| 06:31 → 06:33 |
さっき「タイプ道」って僕が言ったと遠藤さんおっしゃっていましたけれど、 |
| 06:34 → 06:46 |
実際もう30個ぐらいを試験的に僕が書いたわけですけども、すごい精神集中が必要になるんですね、この作品だと。 |
| 06:47 → 06:50 |
一気に書き上げないとどんどん文字が大きくなるから、強迫観念的に書いていて。 |
| 06:51 → 06:54 |
さっき椿さんがおっしゃったような、例えばエフェクトはどんどん変えられると思うんですよね、 |
| 06:55 → 06:59 |
大きくなるんじゃなくて小さくなるようにとか。墨字みたいに消えていくっていうアイデアもあったんですけれども。 |
| 07:00 → 07:06 |
そのエフェクトによって書くという行為がどんどん影響されてしまう、というような。 |
| 07:07 → 07:15 |
それが全く違う文章の作り方だったら、それがまたものの考え方に影響していくというところが、 |
| 07:16 → 07:19 |
今までになかったリアリティを感じさせるとか。 |
| 07:21 → 07:27 |
そういうオルタナティブ的なリアリティを提供するっていうことにつながるのかなって。 |
| 07:29 → 07:40 |
山形さんの京都芸術センターに連載されていたことと結びつけるとですね、そういうことを考えたりもしたんですが。 |
| 07:44 → 07:54 |
その勢いで山形さんにお聞きしたいのですが、「ディアテキスト」っていう連載がありまして、今全部山形さんのHPで読めるんですが、 |
| 07:58 → 08:04 |
そこでは結構ラディカルなというか山形さんのアートに関する想いが描かれていて、 |
| 08:05 → 08:20 |
最終回に「科学的なアート」なんというか、個別性みたいなものの話と繋がっていて、大量複製できないものってあるのかという。 |
| 08:21 → 08:24 |
すみません、少し乱暴な要約をしていると思うんですが。 |
| 08:25 → 08:32 |
最後にソフトウェアというものはすでにそういう風にしてオープンにつくられてきていて、 |
| 08:33 → 08:40 |
そこに可能性があるのではないかというようなことを、山形さんは2003年の時点でおっしゃっていたのですが、 |
| 08:43 → 08:52 |
それから3年経った今、何かその当時書かれたことと、今日ここでお話されたこととで変わったこととか、 |
| 08:53 → 08:58 |
今考えられていること等をお聞きしていいですか? |
| 09:00 → 09:10 |
あれ以来、ある意味で考えは変わっていないのですが少し迷っている話があります。それはここでの話とも絡むことです。 |
| 09:13 → 09:17 |
例えば僕はこれまでフリーソフトが素晴らしいって話もしたし、 |
| 09:18 → 09:30 |
もう少し著作権の規制を弱めて、この時点までしか行使しませんよ、ここから先は強い行使はしませんよというような |
| 09:31 → 09:40 |
クリエイティブ・コモンズにも賛成してきたわけですが、最近少しそこら辺に対する考え方が変わってきました。 |
| 09:41 → 09:47 |
それは何がアートを可能にしているのか、何が創造・クリエイションっていう行為全てを可能にしているのか、という話です。 |
| 09:50 → 09:56 |
それはwebにもあがっているんですが、レビ・ストロースっていう人の話を読んでいると、彼が言っていることがありまして、 |
| 09:58 → 10:02 |
色々なクリエイティビティ・創造性というのはどういう時に一番よく発揮されるのかというと、 |
| 10:03 → 10:09 |
だいたいこんなものというのを漠然と知りつつ、そのもの自体は手に入らないときである、と。 |
| 10:10 → 10:14 |
例えば、僕がある映画を観たり、ある絵を見たりして、あー凄いと思ったとします。 |
| 10:15 → 10:20 |
だいたいこういう変なお姉さんがニヤっと笑ってるような絵だったな、というレベルで分かっていて、 |
| 10:21 → 10:28 |
自分でそれを作ろうとしてみたら、全然違うものができてみたり、全く新しい可能性が出てきたり。 |
| 10:29 → 10:31 |
そういうときにクリエイティビティは発揮されるのである、と。 |
| 10:32 → 10:36 |
これが「モナリザ」の複製画をみんなが買ってきて「はい、どうぞ」というようなことをみんながするようになったら、 |
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それは創造性を発揮する余地は下がる。 |
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ですから、誰でも使える作品がデジタルで提供されているという状況は、 |
| 10:48 → 10:53 |
ひょっとしたら創造性のためには良くない可能性も多少はあると思っています。 |
| 10:57 → 11:00 |
アートにおける著作権でありますとか、オープン・ソース、 |
| 11:01 → 11:07 |
オープン・ソースとはここでは「共有性」みたいな、あるいは「公開性」みたいな相互に利用できる意味の可能性という意味で |
| 11:08 → 11:11 |
使われていると思うんですけど、そういうものは本当にためになるのか。 |
| 11:16 → 11:20 |
著作権という制限力ががーっと上がってきた一方で、色々なものの複製可能性、 |
| 11:22 → 11:28 |
例えばアート作品のデジタル化(複製化とデジタル化というのはだいたい同じことですが)が同時に上がってきたということが、 |
| 11:29 → 11:31 |
ある意味で象徴的だと思うのです。 |
| 11:32 → 11:41 |
つまり、「自由勝手に複製できる」という環境に対して、「それをなるべく妨害しよう」という無意識的な働きというのが |
| 11:42 → 11:46 |
人類の集合的な知の中に存在していたのではないか。 |
| 11:47 → 11:53 |
それが出てくることで、なんとなく今まで「自分と似たような作品を作っているな、しょうがないや」と思っていた人たちが |
| 11:54 → 11:58 |
「むむむ、あれは妨害しないとやばいことになるぞ」と考え始めているのではないかと。 |
| 12:00 → 12:06 |
つまり、オープン・ソースであることによって何か創造が本当に促進されるのか、 |
| 12:07 → 12:17 |
むしろ創造性を促進させるために、オープン・ソースを著作権などによって妨害してきたような面が一方で考えられるのではないか、 |
| 12:18 → 12:25 |
ということを考えはじめています。そうすると「何でもオープンでいいのだろうか」というように考えに揺らぎが生じているんですね。 |
| 12:26 → 12:33 |
とはいえ今のは広い部分で、部分的にはあそこと、ここと、ここをもっと開けなくてはならないと思っているのですが。 |
| 12:34 → 12:41 |
ただ、何でもオープンがいいというものでもないのかもしれない、というようなことを今思い始めています。 |
| 12:42 → 12:45 |
オープン・ソースアートの可能性も本当にそれがアートの可能性になるのか、と。 |
| 12:47 → 12:50 |
みんなが参加して何かできる、それは場としては面白い。 |
| 12:51 → 12:57 |
例えばさっき遠藤さんがおっしゃっていたようなソーシャル・ハッキングの可能性みたいなものを考えた場合、 |
| 12:58 → 12:59 |
例えば「2ちゃんねる」でみんな「田代砲」とかを作って |
| 13:00 → 13:03 |
一生懸命「田代まさし」をタイムの表紙にしようと頑張っていたのは非常に面白い。 |
| 13:05 → 13:08 |
僕はあれを無理にと言われたらアートに入れてもいいと思うんですが、 |
| 13:09 → 13:11 |
ただそういうのをみんな考えているのではないと思うし、 |
| 13:13 → 13:20 |
ひょっとしたらオープン・ソースとアートって、完全に相容れるものではなくて、 |
| 13:21 → 13:24 |
部分的にしか相容れないものではないのかなという印象もちょっと持っているんです。 |
| 13:25 → 13:39 |
ありがとうございました。「ディアテキスト」の連載の7回目か6回目の章にある「創造性の行方」で山形さんがされているお話が、 |
| 13:40 → 13:46 |
このオープン・ソースの可能性についてもいえることですが、もっと普遍的な話であると思うんですよね。 |
| 13:47 → 13:56 |
つまり今山形さんがおっしゃったように、あらゆる財が共有化されて、人の財が並列化した場合に、 |
| 13:57 → 14:06 |
果たしてそこで人々が何かなしえるものがあるのかどうか、というのは思考実験としても考えられるのではないかと思うんです。 |
| 14:07 → 14:17 |
一番最初に楠見さんから紹介頂いたフルクサスのスコアが、当時はほぼフリーで手に入ったにもかかわらず、 |
| 14:18 → 14:30 |
30年も経ってしまうと、30万とか40万とかでギャラリーで売られるようなフェイティシズムの対象になってしまう、というのも、 |
| 14:31 → 14:39 |
山形さん的な言葉を使うと、それが「無意識的な集合知の帰結」なのかなと思うんですよね。 |
| 14:46 → 14:51 |
クリエイティブ・コモンズの話をされましたが、クリエイティブ・コモンズって、結構誤解されやすくてですね、 |
| 14:52 → 14:58 |
「著作権を打倒する」だとか、「著作権をみんなで放棄しようぜ」みたいな、そういう話だと思っている人が非常に多くて、 |
| 14:59 → 15:04 |
この間もアメリカの弁護士からメールでそういう内容を頂いて非常にがっかりしましたが、、。 |
| 15:06 → 15:09 |
そうではなくて(クリエイティブ・コモンズとは)、ローレンス・レッシグがいつも言っていることなのですが、 |
| 15:10 → 15:11 |
「バランスの回復」なのだと。 |
| 15:13 → 15:21 |
何でもクリエイティブ・コモンズにするとか、何でもオープンにするということが目的ではないのだと言っています。 |
| 15:22 → 15:28 |
自分で撒いた火種を一生懸命消しに回っているという大変さというのもあるんだな、と。 |
| 15:29 → 15:38 |
結構みんな中間というものをイメージしにくいのだなということをリアリティとして感じます。椿さんは? |
| 15:39 → 15:46 |
ドミニクさんが言った「中間をイメージしにくい」っていうことですが、これは人類の根源的な「バグ」だと思うんですよ。 |
| 15:47 → 15:56 |
ディテールを飛ばしたがるという。要するにものすごい二項対立が好きなんですね。生物として好きなんじゃないかな? |
| 15:57 → 16:05 |
「朝と夜」、「昼と夜」とかね、「女と男」とか二個ばっかりでしょ?「女と男とエイリアン」とかじゃないでしょ? |
| 16:07 → 16:14 |
二項対立が体質的に染み付いてしまっているので、スイッチのオン・オフになってしまうんですね。 |
| 16:16 → 16:20 |
だから僕はディテールと言っているのだが、どうやってディテールをあげていくかが問題なのです。 |
| 16:21 → 16:27 |
ディテール感覚を取り戻していかないと、すぐにイデオロギーの対立に回収されてしまうから。 |
| 16:28 → 16:36 |
だから僕達がやらなくてはならないことは、すごく精度を高めて身辺レベルにボリュームを、、 |
| 16:37 → 16:40 |
ほらあったでしょ、面白い作品が、SIGGRAPHに。 |
| 16:42 → 16:43 |
VooDooI/Oというインタフェースですね。 |
| 16:45 → 16:55 |
僕はトレードオフっていう概念もそうですが、ステークホルダーがいっぱいいるからボリューム設定の話をお互いにしようじゃないか、と。 |
| 16:56 → 17:01 |
あっちかこっちか話ではなく、クリエイティブ・コモンズもそうですが、結局ボリュームをつけたいわけですよね? |
| 17:02 → 17:04 |
「著作権を取るか取らないか、yes or no」のところに、 |
| 17:05 → 17:13 |
「いや7、6:3とか78%ですよ」っていうボリュームをくっつけようとしたんだけど、なかなかそれがうまくいかない。 |
| 17:14 → 17:20 |
以前、環境省のあるプロジェクトのインタビューがあったのですが |
| 17:22 → 17:31 |
「地球温暖化」っていったらほとんどの人が「海面があがる」って言うんです。それぐらいプロパガンダが浸透してしまっているんですね。 |
| 17:32 → 17:41 |
小学生でもみんな「地球温暖化の問題は何ですか?」と聞くと「海面があがります!」って。そういうのとどう僕らは戦うか。 |
| 17:42 → 17:52 |
だからアーティストが戦わなくてはならない敵というのは、「温度が0か100かっていう一般社会の流れ」であって、 |
| 17:53 → 18:01 |
それをどう調整していくかということ。精密さは僕達にはすごく必要なことだから「ちょっと待って」と言う仕事だと思うんです。 |
| 18:02 → 18:03 |
「こうでしょ」っていうことに対し |
| 18:04 → 18:09 |
「え、ちょっと待って、そうじゃないから。もうちょっとこれもあるから」っていうことを表現の中で言う。 |
| 18:10 → 18:15 |
だから「触ってみてね」「経験してみてね」っていうのを身辺レベルでできるところに入ってくると、 |
| 18:16 → 18:25 |
さっきのワープロのエディタでも、みんながダウンロードできるようなレベルにくると思考の流れって、もう一回見直されますよね? |
| 18:27 → 18:38 |
自分の行為を猛然と肯定するのではなく、少しずつスローダウンしながら動かしていく方が、大きなカタストロフにはならないと思います。 |
| 18:39 → 18:47 |
僕の仕事はでっかいカタストロフにしないように、まめに情報を与えるということであり、 |
| 18:48 → 18:51 |
それがアートの非常に重要な機能の一つではないかなと思うんですね。 |
| 18:52 → 18:55 |
クリエイティブ・コモンズでもそういうことを伝えないといけないと思います。 |
| 18:56 → 19:05 |
別の言い方をすれば、刻み目をちょっと大きく増やしたい。ミリ、オームストロングまでいけるかどうかは分からないけれども。 |
| 19:06 → 19:13 |
「パワー・オブ・テン」なんてかっこいいんだが、もうちょっと刻み目を増やしていきたいなというのは思いますね。 |
| 19:14 → 19:22 |
今おっしゃられた内容に触発されてお話しするのですが、情報量は増えていくと思うんです。 |
| 19:23 → 19:29 |
オープン・ソースのコードをいじったり、例えばコンテンツでもいいんです。 |
| 19:30 → 19:40 |
例えば大好きな曲をミックスしようとして、かなり細かい周波数のところまで見て、3時間とか没頭としているうちに、 |
| 19:41 → 19:46 |
「あ、こんな音使ってたのか」と発見する。ま、それは音の場合ですが。 |
| 19:47 → 19:51 |
例えば絵の場合でも、イラストレーターやフォトショップ、ラスター系の画像でも何でもいいんですけど、 |
| 19:52 → 19:58 |
じゃこれをリミックスしてみようかという時に、始めて関係性が増えるというか、生まれるというか。 |
| 19:59 → 20:05 |
このことが今、椿さんがおっしゃった「目盛り」「刻みを増やしていく」という話に繋がっていくと思うのですが、 |
| 20:06 → 20:14 |
ではそれは一体何なのか、と考えたときに、たぶん批評性みたいなものが新しい形で生まれるのではないかと思うんですよね。 |
| 20:15 → 20:25 |
遠藤さんの作品ですごく感じたことは、遠藤さんの作品って、作品がむこうから介入してきますよね。 |
| 20:28 → 20:35 |
でも、ワードやエクセルで以前「イルカ」とか出てきてたでしょ?ああいう介入の仕方じゃないですよね。 |
| 20:37 → 20:43 |
だから「一般の人が求めている介入ではない介入の仕方を起こすこと」がやっぱりアートにはすごく大事なことだと思います。 |
| 20:45 → 20:48 |
以前、「空間知能化」というのをやっていたことがあります。 |
| 20:50 → 20:57 |
エージェントみたいになんでも助けてくれるということをユーザーが求めるので、そうではなくノイズを発生させたんです。 |
| 20:58 → 21:00 |
それも非常に暴力的に。 |
| 21:01 → 21:07 |
アートがダメになっていったのは、そのノイズの発生のさせ方に、時代の精度を欠いたからなんです。 |
| 21:15 → 21:16 |
世の中どんどん変わってきて |
| 21:17 → 21:20 |
「芸術は爆発だ!」「どんな爆発なんですか?」「いや、ただ爆発なんだ」 |
| 21:21 → 21:24 |
っていうような乱暴な状態がもう通用しなくなったんですね。 |
| 21:25 → 21:31 |
でも微妙なラインで、日常生活のレベルで、遠藤さんのソフトなんかすごく介入が起こってきますし、 |
| 21:32 → 21:41 |
それが「空間知能化」の時でも「介入が起こるようなことをどのレベルで設定していくか」ってすごく大事なんですよね。 |
| 21:42 → 21:48 |
端には、任天堂DSの、あの川島先生の「脳のトレーニング」とかいうやり方でしょ? |
| 21:49 → 21:52 |
あれはたぶん、自分になんらかの刺激を与えたいって、みんなが思っている、ということの現れですよ。 |
| 21:53 → 22:00 |
全て任せきりの自動化された中で、自分の機能がどんどん低下することに対してものすごく恐れがある。 |
| 22:01 → 22:07 |
で、今は茂木先生のテレビを見るとか、川島先生のDSやるとか、そういうことになっているんだけど、 |
| 22:08 → 22:16 |
そこにアートが介在すれば、意識を覚醒させたりノイズを与えていくという機能が起こりえるし、 |
| 22:17 → 22:20 |
そこにテクノロジーが最も重要に介在してくるでしょう。 |
| 22:21 → 22:30 |
ICCが、そういうある種のビビッドなアクションを我々に対して起こせるのではないか、と期待しているのですがね。 |
| 22:35 → 22:36 |
お聞きしたいことがあるのですが。 |
| 22:37 → 22:40 |
オープン・ソース・ソフトウェアは目的が明確にあって、 |
| 22:41 → 22:47 |
つまり改良してベター・ファースターにしていくという目的があるんですね。 |
| 22:48 → 22:55 |
では、例えばある作品なり、プロジェクトをとりあげた時に、どこでベターであるとか、そういうことが言えるのか。 |
| 22:57 → 23:02 |
つまり、100人集めた方がこのプロジェクトはベターになる、と言えるのかどうかが根本的な疑問ですよね。 |
| 23:03 → 23:12 |
椿さんの場合で言えば、例えばRadikal Dialogueのプロジェクトで、そういうことが定量的に言えるのかどうか。 |
| 23:13 → 23:18 |
今、オープン・ソース的なことをアートに当てはめて考えようとしているわけですが、 |
| 23:21 → 23:28 |
(オープン・ソースを)手法として考えたときに、どこまで有効か、また有効だと考えられるのか。 |
| 23:30 → 23:36 |
また、その考え方自体が今おっしゃったような「ノイズを与えていく」ということと互換性があるのかどうか。 |
| 23:37 → 23:40 |
ノイズを与えるという目的があるわけですよね? |
| 23:41 → 23:47 |
そのノイズを最大化するために100人集めてやる、といった場合、どういったインセンティブがあるのかとか。 |
| 23:50 → 23:58 |
今椿さんがおっしゃったみたいな、アートのやり方での成功例は、ある意味で「ポストペット」だと思うんですね。 |
| 23:59 → 24:08 |
あれは普通にメールしているところへクマが介入してきて、手紙をなくしたり、余計な手紙を送ったり、ってことをやったわけですが |
| 24:09 → 24:11 |
それが受け入れられたと。 |
| 24:12 → 24:15 |
マイクロソフトのイルカのカイル君はみんなに石投げられましたが、 |
| 24:16 → 24:20 |
「ポストペット」はみんなが喜んでそういう介入を受け入れる、っていう状況ができた。 |
| 24:21 → 24:29 |
ですから場合によっては、それが「市場にどれだけ受け入れられるか」っていうのを一つの目標にはできると思うんですよね。 |
| 24:31 → 24:38 |
先ほどの椿さんのサイトでいうと、どれだけの人が壁紙つくったか、というのも一つの指標にはなり得る。 |
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じゃ、人がたくさん書いたからそれは良いアートかというと、これはまた別の話になりますし、 |
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それは椿さんの狙いとどう関係しているかということとも関係してくると思います。 |
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参加したから偉い、また、参加することによって偉くなっていく、というわけではありませんが、 |
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市場とうまく結びついた形でいろいろな人が参加したのだから、(その作品は)それなりの価値を持っていた、 |
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という見方もできるのかなと思っています。 |
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じゃ、売れればいいのか、という話に次はなってくると思いますが。 |
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そこはすごく深刻な問題ですね。本当はそこをすごく議論しなくてはならないのだろうと思います。 |
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「売れなきゃダメなのか」という問題になってくると、村上隆くんなんかはアートからは絶対出てきますね。 |
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彼は彼のピンポイント攻撃の文脈がむこう(海外)に通用しているのと、 |
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彼は「Geisai」をやっているでしょう?あれはある種オープン・ソース化したようなものなんじゃないかな? |
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でも(Geisaiは)みんなオープン・ソースだから参加している訳ではなくて、 |
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旧態然とした「アートで金儲けしたい」というスケベ根性で来ているわけですよ。 |
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『私は発掘されてこれでリッチ、お金持ち』とか『小山登美夫のとことか、NYとか』みたいな。 |
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要するにシステムはオープン・ソースを装っているんだが、内情は全然違う。来てる方のオーダーが違う。 |
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でも違うオーダーのものも入っているということは、さっきも言った「ボリューム」がちゃんとついているってことなんですよね。 |
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きっと「ポストペット」と同じように、いいボリュームがついているから、人が集まってくるんだと思います。 |
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だから「売れればいいのか」という議論になるのは難しいけれど、 |
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やはり僕は7:3ぐらいでそっち(売れる方)がいいと思いますけど。 |
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「ポストペット」もいいし、村上隆の「Geisai」も一つのシステムだし。 |
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逆にICCは、次にどういうものが提案できるのかなと思います。 |
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メディアやテクノロジーを使って、何があるのかということをある程度イノベーションした方がいいし。「あれはダメだ」という話でなく。 |
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可能性はたくさん出てくると思うんですよね。 |
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逆に言えば、あのパレスチナみたいな非常にやばいサイトでも、世界中からアクセスして書いてくれるということがある。 |
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結構臨界点に近いところでもアクセスはあるし、いろいろな可能性が僕はあると思うんですよね。 |
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僕はスキルフルじゃないから次々に全部提供したりはできないけれども、可能性自体は非常にあると思います。 |
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そうなんですよね。メディアアートをどうマーケットに流通させるかというのは、本当に考えていかなければならない問題で、 |
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この企画でも日常的に使えるソフトウェアをフリーライセンスで配布させるなりして、 |
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長期的にみてみよう、ということも考えているんですね。 |
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そこが一番重要な議論だということには全く同意なんですが、残念なことに時間がなくなってしまったので、 |
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一つ二つでも会場の方から質問があれば挙手していただきたいと思います。 |
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パネリストのどなたか一人にピンポイントでの質問でもよろしいですし、複数人に質問でも構いません。是非挙手をお願いします。 |

